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竹虎図鐸 銘 東翁 安政二年 遊洛斎 赤文

弊社所蔵の「竹虎図鐸 銘 東翁 安政二年 遊洛斎 赤文」が日本刀剣保存会発行の「刀剣と歴史 令和元七月号」に掲載されましたので、以下に掲載致します。

「竹虎図鐸 銘 東翁 安政二年 遊洛斎 赤文」
丸形鉄磨き地片櫃鋤出し彫り
打ち返し耳金銀緋銅象嵌色絵
縦8.27cm横8.28cm 切羽台5.4mm 出羽国安政二(1855)年

 赤文(寛政二年~明治八年)は桂野氏、名を正蔵と言う。寛政二(1790) 年三月三日、桂野雲軒の二男として越後国村上で生まれた。兄に光長(懲州)弟に忠吾(南山)がいる。金工一家に生まれ、素質は十分であり、環境にも恵まれていた。青年になってから金工を目指して江戸へ上り、浜野一門に学ぶと言う。
 文政七(1824)年に荘内藩から召し抱えの声が掛かった。この時には他藩からも要請されていたが、桂野は生まれ故郷に近い荘内瑞を選んだ。桂野家史によれば、良く髭を伸ばし、髭をたくわえ一見常人とは思われないような風貌であったと言う。名人気質で気が向けば一心不乱に製作するが、気が向かないと誰が頼んでも製作しなかったと伝えられている。生活は楽ではなかったがあまり意に介せず、画家や職人の客が来れば招いてもてなし国情を聞くのが楽しみであった。また、金に困っている旅人に会えば宿料をやったり衣類など分けてやるなど情の深い人のようであった。酒もだいぶ愛したようで「彫金の仕事が終われば酒を飲み、気性は、豪放孫落の二字に尽きる」と評している。
 本作は、鐸表の中心に一匹の虎を据え薄肉彫に毛彫を加え眼光するどく金象嵌色絵とし、左右に竹を金と銀で象嵌色絵としている。裏は雲と風を薄肉彫と鋤出彫の手法で大胆に彫っている。遊洛斎赤文の大振りで傑作のひと鐸として御紹介申し上げます。
(刀遊亭極楽蜻蛉)
「竹虎図鐸 銘 東翁 安政二年 遊洛斎 赤文」刀剣と歴史 七月号

《※本記事は、特定非営利活動法人 日本刀剣保存会が発行している「刀剣と歴史」の「令和元七月号 ――第七四八号――」に掲載されたものです。》

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鍔 銘 遊洛斎赤文 安政二年東翁 竹虎図 特別保存刀装具鑑定書

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