脇指 手柄山氏繁 文政六年八月日 手柄山正繁の弟 濤爛刃 保存刀剣鑑定書

品番：WA-121613
価格 (price)売約済/sold out(JPY)
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鑑定書：Paper(Certificate): 保存刀剣鑑定書

国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai)： 播磨国(Harima)　江戸時代・文政六年（Edo era １８２３年頃）

刃長：Blade length(Cutting edge): 37.5ｃｍ（一尺三寸）　反り：Curve(SORI): 0.6ｃｍ
元幅：Width at the hamachi(Moto-Haba): 2.92ｃｍ 元鎬重：Thickness at the Moto-Kasane: 0.6ｃｍ
先幅：Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.5ｃｍ　 先鎬重：Thickness at the Saki-Kasane: 0.55ｃｍ
茎：Sword tang(Nakago): 生茎、化粧筋違い鑢目。目釘穴一。

体配：Shape(Taihai): 鎬造、庵棟、中切っ先。
地鉄：Jigane(Hada): 板目詰んで地沸つく。
刃文：Temper patterns(Hamon): 小沸出来の大互の目乱れ。
帽子：Temper patterns in the point(Bohshi): 直ぐに小丸に返る。
登録：Others: 東京都　昭和２６年

【解説】氏繁には数代があり、四代が奥州白河藩主松平定信（楽翁候）に召し抱えられ、後に手柄山正繁
を名乗ることとなる氏繁です。本刀は年紀と刃紋より考えるに、五代の氏繁ということになります。また、兄が当時流行の大乱れの濤爛刃を焼くのを得意とし、津田越前守助広に私淑した刀工として名を挙げる傍らで、兄に倣って鍛刀されたであろう脇指であり、その姿造り込み、焼刃に至るまで手柄山正繁と見間違う見事な出来となっています。
この脇差は助廣の濤瀾を彷彿とさせる大互の目乱刃の焼かれた一振で、裏銘に「文政六年八月日」と年紀が入ります。体配は、手柄山正繁の如く小ぶりな脇差ですが鎬が高く、また肉置豊かで頑健。地鉄は板目肌が非常によく詰んで地沸がつく強い鍛の地金で誠に綺麗です。刃紋は、小沸出来の大互の目が大きく乱れた濤欄刃を意識した刃文です。派手やかで、匂い深く小沸が厚くついて冴えた刃となります。鋩子は直ぐで、先よく沸つき、小丸へ返ります。茎は生ぶ。新々刀らしく健全で保存状態は良好です。鑢目、銘彫ともにピシッと決まっています。正繁の作品に似て小ぶり脇指が多く、刀はあまり見かけません。本作は彼の脇指にして常寸といえる作です。地刃共に健全で風格がある五代氏繁の脇指の優品です。白鞘、銀一重はばき。