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写真特集:火縄銃 短筒・フリントロック式ピストルの魅力

写真特集:古式ピストルの魅力

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短筒の魅力

火縄銃の仕組み

火縄銃 短筒 1
火皿の火薬が爆発すると、火穴を通して銃底の火薬に引火し、弾丸が発射される。

火縄銃は、英語ではマッチロック(Matchlock)式と呼ばれ、火器の中でも初期の形態のひとつです。
引き金を引くと、予め火をつけてある火縄が火皿に押しつけられ、火薬(黒色火薬)に引火して弾丸が発射される仕組みで、ヨーロッパや中国で主流だった緩発式(シアロック方式)と、日本で主流だったバネを用いる瞬発式(スナッピング方式)の二種類がありました。
緩発式は火縄銃の中でも初期に登場し、引き金を引くにつれて火縄が徐々に火皿へ近づいていきます。
一方瞬発式では、引き金を引くことによって「カチッ」っとバネ仕掛けで火縄が動き、瞬時に発砲されます。緩発式に比べ命中精度に優れるとされ、日本にはこの瞬発式が伝わり、その後独自に改良されながら広く普及していきました。

火縄銃の国産化

定説では、日本に初めて火縄銃が伝来したのは、1543年(天文12年)のことです。
この年の8月、種子島に2丁の火縄銃を携えたポルトガル人が漂着。種子島の領主、種子島時尭は彼らに大金を払って火縄銃を買い上げました。
種子島時尭と、島津家を通じて火縄銃を入手した将軍・足利義晴は、直ちに火縄銃の国産化を試みます。この時、複製を命じられたのが種子島や近江の国友の刀鍛冶で、わずか一年の間に国産化に成功したと言われています。
その後、近江の国友と日野、紀州の根来、和泉の堺などが鉄砲の主要生産地として栄えました。鉄砲が伝来した当初は、高価な武器であったため武士が用いましたが、普及するにつれ足軽の武器になっていったと言われています。

短筒の魅力

ここで特集するのは短筒と呼ばれる火縄銃です。短筒は読んで字のごとく、銃身の短い火縄銃のことです。
当時の火縄銃は命中精度を高めるために、どうしても長い銃身を作る必要がありました。近代銃の銃身にはライフリングという渦が銃身内部に彫られており、そこを銃口径より大きい直径の弾丸が通過するときに回転がかかって、まっすぐ飛ぶのです。
しかし火縄銃にはそうした機構はもちろん無く、玉の直径より太い銃身から、まん丸の弾丸を放出させるわけですから、短い銃身では何処に飛んでゆくか判らないのです。

それにしても、鉄パイプを作るということが、当時いかに大変な作業であったかは、想像に難くありません。高温で板状に延ばした鉄板を鉄棒の上に巻き付けて叩いて密着させた銃身がそれです。巻張銃身と呼ばれ、二十巻張、三十巻張と、鍛冶の刻銘とともに刻されたものが現存します。

さて短筒に話を戻しましょう。銃身が短い火縄銃というと、馬上からの射撃に用いる馬上筒(騎兵銃)があります。短筒は、それよりもさらに銃身が短く、片手で扱うことができる、まさに火縄銃版の拳銃なわけです。
そもそも、短筒は一体何に使われたのでしょうか? 火縄に火を付けた状態で懐に隠すのは困難ですから、現代の拳銃のように懐から出してすぐに発砲できるわけではありませんが、懐鉄砲とも称されるようにやはり護身用、携帯用として使用されたのだと考えられます。身分が高い人が持っていたと考えるのが普通でしょう。
江戸時代には銃規制が敷かれ、武士以外が鉄砲を持つことは、狩猟や鳥獣を追い払う為のものを除いて禁じられました。短筒を作ることも許されていなかった為に、火縄短筒の多くは無銘にして密造されたものが大半で、それゆえ数も少ないのです。さらに現在残っている銃は本当に少なく希少なものとなります。
今回は弊社が所蔵している、傷みがなく、高級な真鍮製銃身を含む数丁を写真で御紹介させていただきます。

(写真: 銀座誠友堂 ※写真の無断転載・無断使用を禁止します)

写真で見る短筒

火縄銃 短筒 1 火縄銃 短筒 2 火縄銃 短筒 3 火縄銃 短筒 4

フリントロック式ピストルの魅力

フリントロック式ピストルとは

フリントロック式ピストルは、大雑把にいえば火縄銃の火縄を火打ち石(フリント)に置き換えたもので、引き金を引くと火打ち石が当たり金(フリズン)とこすれて火花が散り、その火花が火薬に引火して弾丸が発射されます。
火縄銃と同様の比較的単純な機構でありながら、火種が必要なく、天候の影響が少ないフリントロック式ピストルは、ヨーロッパでは主流となっていきました。
一方日本では、国産の火打ち石の品質が悪く、また平和な世だったこともあってか普及しませんでした。

古式銃の魅力

火縄銃とフリントロック式ピストル、両者の前込式銃はレトロ感があふれており比較していくとなかなか楽しいものです。
これ以後の銃は目覚ましい発展を遂げることになり、カートリッジ式(薬莢を後ろから装てんする)方式の発明によって現在の近代銃が登場しました。あと百年後にはSF映画に登場するビーム式の銃が主流になるのでしょうか。

ここで御紹介するフリントロック式ピストルは、彫刻が施された高級仕様の銃です。三本銃身のものは、銃身を回転させて打つのではなく、火薬の火穴を機械的に切り替えることにより3発の弾丸を発射させる銃です。博物館ものの古銃と言えましょう。(弊社所蔵)

(写真: 銀座誠友堂 ※写真の無断転載・無断使用を禁止します)

写真で見るフリントロック式ピストル

フリントロック式ピストル 1 フリントロック式ピストル 2

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