短刀　/　鎧通し 銘 弘邦　以喜望峰砂鉄作之 平成十六年二月日　無鑑査刀匠　金無垢30ｇはばき。

品番：TA-110411
価格 (price)売約済/sold out(JPY)
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鑑定書：Paper(Certificate): 廣木弘邦　無鑑査作家　現代刀につき未鑑定。金無垢30ｇはばき。

国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai)： 神奈川 (Sagami)　平成十六年（Heisei era）

刃長：Blade length(Cutting edge): 22･2ｃｍ（七寸三分二厘強）反り：Curve(SORI): 内反り
元幅：Width at the hamachi(Moto-Haba): 2.35ｃｍ 元鎬重：Thickness at the Moto-Kasane: 1.0ｃｍ
先幅：Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 1.9ｃｍ　 先鎬重：Thickness at the Saki-Kasane: 0.75ｃｍ　
茎：Sword tang(Nakago): 茎生ぶ、勝手下がり鑢目。目釘穴一。

体配：Shape(Taihai): 鎧通造、三つ棟。
地鉄：Jigane(Hada): 小板目肌、柾掛かる。
刃文：Temper patterns(Hamon):湾れ調子で僅かに湾れる。
帽子：Temper patterns in the point(Bohshi): そのまま小丸に返る。
登録：Others: 平成十六年神奈川県登録

【解説】銘　弘邦　以喜望峰砂鉄作之 平成十六年二月日　本名は廣木順一、昭和２３年生まれ。福岡県大牟田市の出身。人間国宝隅谷正峯氏の門人中の巧者となり、その後は父国宏について鍛刀を学びました。昭和46年に刀剣鑑定家池田末松氏の門人となり刀剣研磨を学び、48年厚木市関口に鍛練所を開設。直刃を得意とする弘邦刀匠は、山城、備前、備中、そして相州物と、古作の再現では独自の理念を持って、その真実に迫らんと取り組んで、紺綬褒章、文化庁長官賞、毎日新聞社賞、全日本刀匠会理事長賞、寒山賞、優秀賞、数々の叙勲、受賞を果たし無鑑査刀匠にまで登りつめた現代刀匠を代表する作家です。
本作、体配は、鎧通造で棟は三つ棟。重ねがなんと１０ミリもある大迫力の短刀です。槍の如く造りこまれた短刀で、甲冑を着た敵と、組合になった時に、抜くもので、鎧の弱所である、脇の下あたりから、ズブッと・・この平和な時代に暮らす私たちからすると、なんとも恐ろしいお話です。さて、裏銘の以喜望峰砂鉄作之とは、南アフリカの最南端にある岬を示します。大航海時代に、ポルトガルのパルトロメウ・ディアスによって発見され、「嵐の岬」と名づけられましたが、この先の海が、断絶していると恐れられていた時代に、岬のさきが、どうやらインドの方に抜けているらしいことがわかり、時の国王マヌエル1世が「希望の岬」(CAPE OF GOOD HOPE)と改名したと伝えられています。喜望峰。なんとも良い響きです。元気が沸いてくる一振りです。この刀は御守り短刀によろしいでしょう。
地鉄の鍛は何時もながらに上手で、小板目肌が柾目がかって美しく現れ、地沸を縫って映りが立ちます。匂い口がやや締まる湾れ調子の刃文は、冴えて明るく、繊細な小沸が付き、流石の一言。真に感服です。刃中には、小互の目が連続して現れ、小足よく入り、砂流し、金銭が絡むようにして盛んな働きを見せています。帽子は、そのまま湾れて上品に返ります。茎は名刀らしく、仕立てが丁寧で、力強く銘が切られています。雅味溢れる美しい御刀で、無鑑査刀匠、弘邦刀匠の作中で傑出しています。はばきは、刀身に合せた最上品です。金無垢で造りました。重さ30グラム有ります。鞘も上等品。傑作品也。