本刀は健全な体躯で、一竿子忠綱の作例中、稀有な薙刀造を呈す。同工が得意とする濤瀾風の焼刃は、ひときわ華やかなであり、覇気に充ちる出来口の名品也。
薙刀 粟田口一竿子忠綱 宝永二二年二月吉日 第49回重要刀剣 新刀上々作 良業物
Naginata [Awataguchi Ikkanshi Tadatsuna(Yoki-wazamono)[N.B.T.H.K] Juyo Token
品番:NA-080125 |
鑑定書:Paper(Certificate): 第49回重要刀剣指定
国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai): 攝津国,大阪府(Settsu)・江戸時代中期 宝永四年(Middle Edo period 1707)
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刃長:Blade length(Cutting edge): 50.6cm(一尺六寸六分) 反り:Curve(SORI): 3.8cm 【重要刀剣図譜より】 形状 薙刀造、三ツ棟、身幅広く、元重ね一段と厚く、踏張りごころがあり、反り一際深く、先反り強くつき、頭張る。 鍛 小板目肌よくつみ、地沸微塵に厚くつき、地景細かによく入る。 刃文 直ぐに焼き出して、その上は互の目乱れに丁子風の刃・小のたれなど交じり濤瀾風となり、足よく入り、総じて匂深く、処々匂口むらとなり、沸よくつき、部分的に荒めの沸を交えてむらづき、総体に砂流しかかり、小さく金筋入り、匂口明るい。 帽子 佩表浅く小さくのたれ、裏直ぐに、共に小丸に長く返り、先少しく掃きかける。 彫物 表裏に腰樋を丸留にし、添樋を掻き流す。 茎 生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目筋違に化粧つき、下半より下鐘鋤となる、目釘孔一、佩表目釘孔の上棟寄りに太鏨の長銘があり、裏に同じく年紀がある。 説明 粟田口近江守忠綱は、初代近江守忠綱の子で、のちに二代目を継ぎ、一竿子と号した。彼の作風は、その初期に於ては、初代同様に焼頭のよく揃った足の長い丁子乱れが多く、後には互の目乱れや濤爛風の乱れ、さらには直刃なども焼いている。また彫物を得意としており、刀身その物を損ねることなく、よく調和している。この薙刀は、小板目肌のよくつんだ鍛えに、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かによく入り、刃文は直ぐに焼き出して、その上は互の目乱れに丁子風の刃・小のたれ等が交じり濤瀾風となり、足よく入り、総じて匂深で、沸がよくつき、部分的に荒めの沸を交えてむらづき、総体に砂流しがかかり、小さく金筋が入るなどの出来口をあらわしている。 上記の作域の如く、彼が最も得意とした濤瀾風の作柄で、典型的刃取りを見せているが、常にも増して華やかに乱れ、覇気に充ちている。また丁子風の刃を交え、足がよく入り、総体に砂流しのかかった様には、この工の特色が看て取れる。焼刃の匂口が明るい点も注目され、鍛えは精緻であり、加えて体配が健体であることも好ましい。同作中、薙刀の作例は稀有であり、彼の薙刀の作域を知る上に於て資料的にも貴重である。 |
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