脇差 肥前国住人忠吉作 持主予州住人家次 第18回重要刀剣　薫山鞘書　新刀最上作　最上大業物

品番：WA-100223
価格 (price)4,200,000円(JPY)
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鑑定書：Paper(Certificate): 第18回重要刀剣指定

国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai)： 肥前国,佐賀県(Hizen)・江戸時代前期 慶長末期頃(Early Edo period 1613~)

刃長：Blade length(Cutting edge): 34.0cm（一尺一寸二分二厘）　反り：Curve(SORI): 0.6cm
元幅：Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.26cm　元鎬重：Thickness at the Moto-Kasane: 0.71cm
先幅：Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.95cm　 先鎬重：Thickness at the Saki-Kasane: 0.55cm
茎：Sword tang(Nakago): 生ぶ、切鑢目、目釘孔3個。

体配：Shape(Taihai): 平造、三つ棟。
彫物：Engraving: 表裏に棒樋を彫る。
地鉄：Jigane(Hada): 良く詰んだ小板目肌で地沸厚く付き、地斑交じる。
刃文：Temper patterns(Hamon): 丁子、互の目、湾れを交えた大乱れ。
帽子：Temper patterns in the point(Bohshi): 乱れ込み、先掃きかけて尖り心に返る。
登録：Registration Card: 福井県 昭和26年登録

【解説】
初代忠吉、元亀三年（1572）～寛永九年（1632）は元亀三年に佐賀郡長瀬（現在の高瀬村）に生まれました。本名は橋本新左衛門尉忠吉と称し、日本刀史上では肥前刀の開祖であり最高位の名工です。若くして鍋島直茂に録二十五石で召抱えられ、慶長元年（1596）二十五歳のとき、藩命により一門の宗長と共に京の埋忠明寿の門に入り学びます。慶長三年に帰国して、佐賀城下に住し、肥前佐賀藩の庇護のもとに大いに栄えました。元和十年（1624）武蔵大掾を受領し、名を忠広と改めます。彼は慶長新刀期を代表する屈指の名工です。その作風は青江写し、志津写しなどあり非常に上手であり古作と比べても遜色がないほどです。慶長十年頃より、小糠肌に直刃や湾れ刃、互の目丁子刃などを焼くようになり、肥前刀と呼ばれる作風を確立するに至ります。寛永九年八月十五日、六十一歳で没しています。作品は新刀最高位で位は新刀最上作。更に切れ味も抜群との評価から最上大業物にも列位します。初代の作品は重要刀剣にも多くの指定をみます。彼の息子の近江大椽忠広は終生忠吉と銘を切らず、八十歳まで作刀を続けます。以下の子孫は幕末まで繁栄して肥前刀の名を高めました。肥前国住人忠吉作、肥前国忠吉、肥前住忠吉、肥前国住人武蔵大掾藤原忠広、肥前国藤原忠広などと銘を切ります。制作の時期により、五字忠銘、秀岸銘、住人銘、改銘後の忠広銘に分かれます。
本作体配は、刃長が一尺一寸二分二厘。身幅広く元先幅差がない、堅牢で極めて健全且つ堂々たる姿の一口である。肥前鍛冶最高峰の技量を示した鍛はよく詰んだ小板目肌で、破綻がなく澄み渡り、地沸厚く付き、地斑が交じる精良な肥前肌を顕かにする。焼刃は丁子を主体に互の目、尖り刃などを交え、高低ついた大乱れとなる。刃中には足、葉が入り、金筋、砂流しが頻りに長くかかるなど、澎湃たる波濤を思わせる誠に覇気盛んな刃文で構成される。帽子はそのまま乱れ込み先掃きかけ尖り心に長く返る。本刀は初代肥前国忠吉の秀抜の一振で、鉄が冴えつんだ肥前肌に相州伝を思わせる華やかで抜群の乱刃を焼きます。同派では極めて珍しい所持銘を添えた至高の名品也。